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#技術書典6 で頒布したxR合同誌『ぷれぜんすっ!』の振り返りとお金の話

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TL; DR

  • Re:VIEWを使いPull Requestベースで執筆を進めた
  • 物理本+DLカード+Boothで計150冊以上売れた(2019.05.17時点)
  • 赤字だったが損益分岐点やアピールの重要性、物理本需要についての学びを得た

頒布物: nkjzm.booth.pm

はじめに

04/14(日)開催の技術書典6でxR関連の技術書を頒布しました。 会社のxRチームの中から有志を募って制作した合同誌で、初めての試みでした。

実際に制作から販売までやってみて多くの学びがあったので、記事としてまとめたいと思います。

内容についてはこちらの記事をご覧ください。 kohki.hatenablog.jp

当日まで

過去の技術書典で毎回頒布をしている@ikkouさん発案で始まりました。

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Slackのchannelが出来たのが02/06で、こんな感じのスケジュール

執筆にはRe:VIEWを使い、各自Pull Requestベースで進捗をあげていく形式で進めました。

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執筆の締切が03/26に設定される (03/05時点)

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締切当日のSlackの様子

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紆余曲折を経て、無事04/03に入稿

当日の様子

売り子は2時間ずつの交代制でやりました。僕のシフトは最初でした。

Looking Glassの話を書いたので、実際にブースにも置いてみました。人目を引いてくれてかなり役に立ちました。

買ってくれたことをツイートしてくれる人も何人かいました🙏

そんな感じで無事頒布終了。たくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました!

後日、Boothにて電子版の頒布も行いました。 nkjzm.booth.pm

お金周りの話

今回掛かった費用と収益は以下のようになりました。

費用

項目 金額
サークル参加費 ¥7,000
物理本 印刷費(200冊) ¥107,630
DLカード 印刷費(50枚x4種) ¥59,767
雑費(あの布など) ¥14,051
合計 ¥188,448

収益

項目 金額
物理本 売上(105冊) ¥105,000
DLカード 売上(34冊) ¥34,000
Booth 売上(18冊) ¥17,352
雑費 ¥4,800
合計 ¥161,152

2019.05.17時点で計150人以上の方に購入いただきました。現地での頒布に加え、後日公開したBoothでも何冊か購入してもらっています。お買い上げいただき本当にありがとうございました!

しかし、売上としては(収入)¥161,152 + (支出)-¥188,448 = -¥27,296で約3万円弱の赤字でした。売上の予想を誤ったという話なのですが、折角なので他の原因を考えてみました。

損益分岐点が高くなってしまった

今回の本は表紙込みで172ページもあったため、物理本1冊辺りの原価が¥538と高めの金額になりました。頒布価格は¥1,000だったため、この時点で発行部数の半分以上を売らないと赤字になる計算です。

同人誌の相場は一般的に1頁10円らしいので、もう少し高めの金額設定をしても良かったかも知れません。

現地でのアピールが下手だった

事前に各自のTwitterで宣伝などをしていたことから、Twitterを見て来てくれる方がたくさんいた反面、当日ブースを見て購入してくれる方は少なかったように感じました。今回はxR関連技術に興味がある方に向けた本だったのですが、表題の「ぷれぜんすっ!」にキーワードが含まれておらず、ブースから読み取れる情報も少なかったです。

物理的なイベントでは偶然の出会いが醍醐味ですが、その機会を十分に活かせなかったように思います。

現地でのDLカードの需要が低かった

DLカードの売上は当日売上の約25%ほどでした。現地に来る人の多くは物理本を求める傾向にあったように思います。また物理本にはDLコード(≠DLカード)を付けていたのでお得感があったと思います。個人的には物理的な本を持ちたくないのでDLカードを好むので、意外に感じました。

ちなみにDLカードの原価は約300円でした。

頒布してみての感想

ネガティブな反省が多くなってしまいましたが、今回頒布することが出来てよかったと思います。

執筆からDLカードの制作、頒布までの一通りの経験が出来ましたし、多くの方が自分の書いた文章をお金を出して手にしてくれる喜びを感じられました。

反面、そこそこの時間と手間がかかることでもあったので、次回以降についてはしっかりと検討をした上で決めたいということも思いました。今回は合同誌なので僕の担当分は21ページでしたが、折角出すなら1人でもっとボリュームのある本も書いてみたいです。

何はともあれアウトプットは楽しいので、興味がある人は是非一度やってみるのがおすすめです!やっていきましょう💪